年々増えている「男性不妊症」をご存知ですか?
ひと昔前は、10組に1組と言われていましたが、近年ではその割合が格段に増し、5組に1組が不妊症であるとも言われています。
不妊症の原因は女性だけの問題ではありません。「男性不妊症」として近年では男性の不妊症も注目されています。実際に、男性不妊症に悩んでいる方も多く、相談件数も増えているようです(※下記推移グラフ)
そもそも不妊症とは、妊娠を望んで2年以上、避妊をしない定期的な夫婦生活を営んでも1年以上妊娠しない場合を指します。
世界のどの国でも、10~15%の割合で不妊症の悩みを抱えるカップルが存在していると言われますが、日本の場合は「晩婚化」と「晩産化」が不妊を深刻化させているようです。2015年の統計データ(厚生労働省統計情報部「人口動態統計」)によると、女性の平均初婚年齢は、29.0歳まで上昇しました。よって、新生児の約6割は、30代のママから生まれていることになります。

厚生労働省の調査によると、全国の不妊専門相談センターに寄せられた相談は、平成24年度が2万1452件で、平成9年度の1891件から10倍以上に急増しています。また、グラフを見ると推測できるように、この傾向は先にも続くと予測され、ますます不妊の悩みを抱える社会となるでしょう。「環境ホルモンなどの影響ともいわれているが原因は判然とせず、男性不妊患者は潜在的に増加傾向」とあります。
※引用:厚生労働省 不妊専門センター相談件数の推移
※妊娠を希望しながら一定期間妊娠しない「不妊」について、 日本産科婦人科学会は2015年6月20日、これまで「2年」を一般的としてきた妊娠が成立しない期間を「1年」とする方針を発表しました。女性の晩産化を受け、早期に不妊治療につなげられるよう定義を変更する予定です。
婦人科での検査や不妊治療をためらっている男性へ
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「自分の精子は大丈夫だろう」と思っていませんか?
男性がブライダルチェックを受けて、精子に何らかの問題が見つかった方の割合は、17%にも及びます。※参考:第63回日本生殖医学学会学術講演会「妊活開始時、既に性行為が困難な男性とは?」(2018年11月)辻村医師 発表
『自分は大丈夫だろう』と思っていた方に精子トラブルが発覚しており、自覚できていないケースがほとんどです。
油断大敵。自分の状態を早めに知る事が大切です。
不妊症の原因が男性側にあるケースは約半数も!
男性不妊症は、決して珍しいことではありません。
これまで、不妊というと「女性の問題」であると思われがちでした。妊娠を望んでいてもなかなか子どもが出来ない場合、周囲の人は女性の方に不妊症の検査を勧めたり、妊娠についてのアドバイスなどをしている光景は少なくありません。しかし、不妊の原因は男性の方にある「男性不妊症」というケースも多いことが分かってきました。
世界保健機構(WHO)※が不妊症の原因調査を実施したところ、上のような結果が出ました。不妊のカップルが100組いたとすると、男性にのみ不妊原因があるカップルは24組、女性にのみ不妊原因があるカップルは41組、男女ともに不妊原因があるカップルは24組、原因不明が11組という結果です。※参考:世界保険機構(WHO)不妊症原因の統計データより(1996年)
つまり、100組中、じつに48組のカップルにおいて男性に何らかの不妊原因があり、不妊症とはおもに女性側の問題であるとのイメージが間違っていることが明らかになりました。つまり不妊の原因の半数は男性不妊症、ということです。
妊娠という現象は、男性の精子と女性の卵子が結びつくことによって成立する事象です。そのような事象について、女性側にだけ不妊の原因があるということはありえません。 男性因子が絡むケースが約半数に上っているのは、残念ながらまだ広く知られていません。男性不妊症とその原因の認知が、日本の不妊治療に関するこれからの課題と言えそうです。
男性、女性、共に不妊症の原因を探っていくことが大切です。
男性と女性では不妊症の原因が異なります。これまでのケースで多いのは、まず女性側が病院やクリニックに行き、検査結果がわかった後で女性の不妊治療を行い、女性側だけの治療で改善しないようであれば男性側の検査を行っているパターンです。これでは時間を要し、女性側の体力・精神力も消耗してしまいがちです。
不妊の原因は男女で違います。どちらもそれぞれの視点から検査を行うことが解決の近道といえるでしょう。
女性の不妊症の原因
排卵因子 | 環境の変化等に伴う精神的ストレスによるもの、短期間でダイエットした場合にも影響。 |
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卵管因子 | 性器クラミジア感染症は、卵管の閉塞や、卵管周囲の癒着によって卵管に卵子が取り込まれにくくなる。 |
子宮因子 | 月経量が多く、血液検査で貧血を指摘された方は子宮筋腫、粘膜下筋腫の疑いがある。 |
頸管因子 | 頸管粘液量が少なくなった場合、精子が子宮内へ貫通しにくくなり、不妊症になる。 |
免疫因子 | 抗体が頸管粘液内にも分泌され、例え運動性の良い精子でも通過を妨げる。 |
原因不明不妊 | 不妊症の検査をしても、どこにも明らかな不妊の原因が見つからない場合。 |
男性の不妊症の原因
性機能障害 | ストレス等により、有効な勃起が起こらず性行為がうまくいかなかったり、勃起障害(ED)や性行為は出来ても腟内射精が困難だったりなど、さまざまな射精障害があること。 |
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精液性状低下 | 精巣での精子形成や、精巣上体での運動能獲得過程に異常があると、精子の数が少なくなったり、精子の動きが悪くなったり(精子運動率低下)、奇形率が多くなるなど、受精力が低下する。 |
高度の精液性状低下、 無精子症 |
精液中の精子の数が極端(通常の1/100以下など)に少ない、あるいは運動率が極端に低い(20-30%以下)場合。無精子症は、射出された精液の中に精子が全く見られない状態、あるいは運動率が極端に低い(20-30%以下)場合のことを言います。 |
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男性不妊症の背景として…
体外受精、顕微授精、受精卵凍結などの技術は、20年前に比べて進歩しました。ここ10年で医療技術は、ほぼ安定したとも言われています。しかし、妊娠しても、出産まで至らないケースも少なくないのです。医療技術が進んだとはいえ、不妊治療を行えば誰もが30代後半や40代でも出産できると考えるのは残念ながら間違いです。
男性不妊においては、テストステロンが深く関係していると言われています。女性ばかりでなく、男性側でも検査を行うことは、男性不妊症の早期治療スタートと、その治療による妊娠への近道と言えるでしょう。男性専門のクリニックはまだ日本に数少ないですが、精液検査だけではなく、テストステロン値(男性ホルモン)を検査することで男性不妊症とその原因が分かる場合もあります。男性側がきちんと医師と向きあうことで、女性の肉体的・精神的な負担を軽くすることも可能です。
早めに検査を受けることで時間的なゆとりが生まれます。また、女性側の年齡によっては治療の選択肢がどんどん狭くなってしまうことも認識しなければいけません。
男性側が早めに検査を受けることで、2人の時間的・経済的節約に繋がるのです。
男性側も男性専門のクリニックできちんと調べる時代へ!
不妊である原因の約半数が男性側にあるとされながら、日本では不妊治療を行なっているのは、婦人科医のクリニックが大半なのが実情でした。
男性にとっては、女性が多くいる環境の中で検査を行うことに抵抗があるのは当然のことでしょう。なかなか行きづらかったり、1度行っても続かないということもあるようです。
また、「女性主体で行う不妊治療」というイメージがあることで、検査をしても「協力した」という補助的な考えもこれまで根付いていました。
しかし本来は、2人で不妊治療を行うのがいちばん効果的・効率的です。男性側の検査や治療が今までより身近なものなれば、時間もお金も浪費しなくて済むことでしょう。
医療の現場としては、男性が抵抗なく検査に向き合える環境ができることで、不妊症に悩む方の増加が抑えられるはずです。
こうした考えのもと、男性が女性の目を気にしなくてもよい男性専門のクリニックが誕生しています。
男性専門のクリニックでは、男性機能に関するさまざまな悩みを男性の医師に直接相談することができ、検査環境も男性にとってストレスないようにさまざまな工夫がなされています。
男性不妊治療のご相談は男性専門の不妊治療クリニックへ
「不妊の悩みがありながら婦人科での治療を躊躇している方」や「性機能チェックを行いたい方」、「結婚」や「新たな家族形成」をお考えの方は、不妊治療のできる男性専門のクリニックへご相談ください。
問診・血液検査・精液検査にて、自分の現在の状態や精子の動きなどを正確に知ることが可能です。男性がブライダルチェックを行うことで、子どもができる身体なのか、できにくい体質なのかをチェックできます。検査後は国内でも有数の日本生殖医学会認定の専門医師が一人ひとりアドバイスを行い、そのまま治療に進むことも可能です。
妊活中の男性はもちろん、今後結婚を考えている独身男性、第1子が生まれてその後なかなか子どもができない…と気になっている方、すべての方が対象です。
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Dクリニック東京 メンズ(旧メンズヘルスクリニック東京)は、婦人科での不妊治療やブライダルチェックをためらっている方のための男性妊活外来を設立しております。
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婦人科での不妊治療やブライダルチェックに行きづらい方は、まずは当院にお問い合わせください。日本生殖医学会の指導医が適切なアドバイスをし、安心で安全な治療やアドバイスをご提供、ご提案します。
男性不妊症の原因や検査、テストステロンが与える精子力の効果、男性不妊症の治療の現状について説明しています。また、なかなか妊娠しないとお悩みがある方や、婦人科での不妊治療を躊躇されている方などへ、男性専門の不妊治療クリニックを紹介しています。
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